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IMAI式ラインアンプが出来るまで

 この音響工房アナログ式(旧OLD LINE)では、設立当初からオリジナル・ラインアンプを作り続けています。この工房を支えてきた主力製品と言って過言ではありません製品の詳細についてはサイト内の「IMAI式|ラインアンプ」をご覧ください。

 工房主宰の今井年春が、自身の録音スタジオでの仕事道具として開発し使用してきたものを日本で初めて単体製品化しました。少し古い記事ですが、旧ブログ(アナログ道場)の「ラインアンプについて」もご覧いただければ幸いです。

 あらためて「ラインアンプ」を作り始めた動機を自分なりに思い返してみました。実は最初に製作したのは真空管式でした。30代後半でしたから今からもう25年前のことです。
 当時、スタジオでは真空管式マイク(SONY C37A)をはじめマイクプリ、GEQなど真空管機材をいくつか使用していましたが、それらの音には独特な魅力がありました。そこで、他のコンデンサーマイクやダイナミックマイクを真空管マイク化させてみようという実験的な動機から、この真空管ラインアンプを開発しました。真空管式マイクプリとは違う「ラインアンプの回路」で真空管の音世界を追求してみるとどうなるだろうという好奇心が自作への動機だったということです。その試みは見事に的中し、ジャンルを問わず様々な録音現場で自作の真空管ラインアンプが活躍しました。もちろん仕事道具としてだけでなく、プライベートでの音楽再生にも愛用していました。ちなみに当時のスタジオのコンソールは76年製のAPIでした。

 そして同時にオペアンプ(ゲインブロック)の開発も進めていました。2003年頃にやっと納得いく「1960」が完成し、雑誌『無線と実験』でもご紹介いただいたのを機に、このゲインブロックを使用したラインアンプを本格的に「オールドライン」として製品化しました。ゲインブロックはそこから8種類にバリエーションを増やしながらマイクプリ、コンプ、DIなどにも使用し今日に至っています。真空管式ラインアンプも魅力ですが、この15年は自分の回路で音世界を実現できるIMAI式の製作に没頭していました。現在の製品は15年間の試行錯誤の結晶、ひとつの完成形だと思っています。

 真空管式ラインアンプ、IMAI式(ゲインブロック式)ラインアンプ。これは優劣の問題ではなく音世界の違いです。求める世界によって使い分けることが理想的ですが、ゲインブロックを特注することも可能ですし、好みのタイプに差し替えて使用できることも可能なIMAI式は道具として魅力です。

 ラインアンプには様々な使用法がありますが、オーディオ再生ではラインコントロールアンプ(またはラインプリ)として、また音源製作においてはミックス、マスタリングでの使用がお勧めです。もちろんアナログ出力に通せばデジタル音源にもお使い頂けます。

 

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音響工房アナログ式 

http://analogmode21.jimdo.com/